2017年10月15日
遺産相続が開始した場合は、遺産を法定相続人の間で持分を決めて分け合うことになります。もし遺言書があるなら、記載内容に従いますし、もし遺言書がなければ、法定相続人全員が一同に介して遺産分割協議を実施します。
このとき、相続人調査をしっかり実施して、法定相続人全員を特定することが大切です。法律のプロである弁護士に依頼して、調査し尽くすことが肝要です。もし、遺産分割協議後に新たに正当な相続人が出現してしまうと、従前の遺産分割協議の結果は無効となってしまうからです。
この場合は、新たに見つかった相続人も含めて、遺産分割協議をやり直すことになります。二度手間となり費用もかかりますので、最初の段階でしっかりと相続人の特定作業をすべきであることがわかります。相続人が全員出揃ったら、全員の同意のもとでそれぞれの相続人の持分割合を決定します。
特段の争いがなければ、これで決着し穏便に遺産相続の手続きが進むことになります。しかし、一部の相続人が持分割合に不服があり、相続人の間で争いが生じており、解決の見込みがないようなケースもあります。この場合は、家庭裁判所における調停や審判に委ねられることにになります。
何億円もの遺産を争うというよりはむしろ、数千万円程度の遺産で争いが起きやすい模様です。立法趣旨からは、できるだけ当事者同士で解決を図ることを想定していますので、争いにならないように解決に努力すべきです。もし、調停になると時間がかかりますので、これにかける労力やコストを考えると得策ではないからです。